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【Kissの会  第195回投稿】  「私と水泳の話」

2024-10-11

子どもの頃は夏休みに母の実家に行き、いとこたちと九十九里の海に連れて行ってもらうのが楽しみだった。犬かきや立ち泳ぎで少し泳いだが、ほとんど浮き輪に入って遊んでいただけ。大きな波に乗るのが面白かった。

小学校にプールはなく、中学校では理由をつけてよくさぼった。ところが年貢の納め時が来たというか、高校で鬼のようにこわい先生に「泳げない者は夏休みに泳げるまで通うこと。できなければ体育の単位はやらない」と言われた。ブラバンの部活をしながら通ったのだろうな。一年生は平泳ぎ25m、二年生は平泳ぎ50mとクロール25m、三年生はクロール50mと背泳ぎ25m、曲がりなりにも泳いで体育3をもらった気がする。クロールのテストの時には「その泳ぎ方でどうして進むのかわからない」と笑われた。知るか。


でも、おかげで最低限の泳ぎは身についた。感謝すべきなのだと大人になってからは思った。これに懲りて子どもたち三人はせっせとスイミングスクールに通わせたが、私が泳ぐひまはほとんどなかった。たまの機会に平泳ぎと背泳ぎをしたが、クロールは疲れるし沈むのでしなかった。

 

そんな私が、50~60分あれば、クロールで1,000m泳げる人になっている。きっかけは、2018年の7月に右膝の半月板断裂をしてしまったことだ。何度かのディズニーリゾート行きと鹿児島旅行と都内外出とが続いた後に、庭の草取りをして立ち上がった時にビシリときた。3か月ぐらいまともに歩けず、このまま歩けなくなったら大変だと思い、体重がかからない水中ウォーキングをしようとスポーツクラブに入る。そのうち泳ぎたくなり平泳ぎはこの膝に悪いと聞いてクロールを習おうと決め、週1回60分のスクールを3か月、年配のおばさま3人とがんばった。

子どものスイミングみたいにまっすぐ両手を前に伸ばして浮いて、右手を水中にだらりと降ろして後半だけ全力で払うようにシュッとかき、ひじを上げて脱力したまま前に伸ばし、次は左手を同様に動かして、だんだん早く回すようにする。その先生のやり方が、全部に力を入れてぐるぐる手を回し続けるのがクロールだと思い込んでいた私には驚きだった。これならあまり疲れないじゃないか。


そこはつぶれてしまったので、もっと近くにできたスポーツクラブに入り、2019年11/3  700m、11/11  500m、11/16  700mと、たった3か月の間に24回、合計15,500mも泳いだ。そして忘れもしない2月9日に、突然私に異変が起こる。水泳後の夜、鼻水が水のように流れて止まらなくなり、頭痛、声の涸れ、のどの痛みに下痢のため、全身でcats and dogsが暴れているみたいになった。人が言う花粉症ってこんな感じ? 恐る恐る8日後に1,000m泳ぐと、プールにいる間は平気なのに、出たらもうお風呂の時から鼻がおかしくなる。それから長いこと全く泳がなかった。コロナが流行り始めた頃で、怖くてスポーツクラブも月一回のホーム会員に変えた。

 

でも、運動不足で衰えるのもよくないので、2022年6月から通常会員に戻す。主に筋トレをし、月に1~2回恐る恐る泳いでは、毎回止まらない鼻水に苦しんで市販の感冒薬や鼻炎薬が効くまでの2時間ほどのたうち回り、寝て、翌日の午前もなんか変だがそのうち治る。そういうことが5年ほど続き、この7月もならば泳ぐ前に薬を飲んだら楽だろうかと考えたがさすがにそれはせずに苦しみ、8月もどうせまたと身構えたら、2回ほど鼻をかんだらそれで終わった。

   「えっ、もしや?」 

そして、先月の9月に2回泳いだが、何ともならなかった! あんたやり過ぎだよと身体が怒ったが、ふっふっふ、オレはついに塩素に勝った!『鬼滅の刃』の鬼のかしらが太陽の光を克服した並みのことが私に起きた気がする。

                                                                                (7期 安孫子)

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