【Kissの会 ゲスト投稿no.14】 「沖縄」

2017-9-18 投稿者 7期生 田中一正さん

私はRSSC本科を終了すると、沖縄計画の実現に向けて動きを加速しました。長年セーリングに親しんだ江の島・相模湾の海を離れて、待ちに待ったケラマ(慶良間)ブルーの海へ向かうことにしました。ここでは、毎年梅雨明けに行われる慶良間レースについてご紹介します。ケラマブルーの素晴らしさと、沖縄のセーリングの醍醐味を皆さんにお伝えします。  

 

さて、座間味レースは宜野湾港マリーナ沖をスタートし、座間味島(慶良間諸島)に向かう距離にして28マイル(約47キロ)、所要時間は5~6時間のレースです。今年は6月24日に開催され、午前8時にスタートしました。風は南西約6m/sとまずまず吹いていました。あいにくの曇り空ですが、そこに居るだけで楽しい気分になるのが沖縄の不思議な魅力です。参加57艇のヨットの集団がいっせいに座間味島を目指します。

スタートから約1時間経過してナガンヌ島が左に見えてくるころ、風は南南西に変化し、風速も8m/sに上昇してきました。いよいよ海の色が変わってきます。ナガンヌ島の真っ白な砂浜からエメラルドグリーンの海面がこちらに迫ってきます。砂浜の白さ、海の深い青、浅瀬のエメラルドグリーンのコントラストがため息の出るほど美しい。沖縄でセーリングが出来てよかったと心の中でつぶやく瞬間です。さらに走ること1時間、慶良間諸島のなかにセーリングで入って行きます。これからは幅が狭い島と島の間の水路を抜けて行くので全員に緊張が走ります。右手前方に座間味島の切り立った崖、左手に渡嘉敷島を見て進み、古座間味ビーチ沖に設置されたブイを目指します。そこに広がるのはケラマブルーの海、世界一きれいな海と形容されている海です。ふと海の下をのぞくと、海底がはっきりと見える。本来地球は美しいものであることを思いだします。突然の仲間のかけ声で、スピンネーカー(ヨットの前方に大きく張り出すカラフルなセール)揚げることにしました。スピードを上げて、安室島、安慶名敷島、嘉比島を反時計まわりに回るとフィニッシュの座間味港の灯台が見えてきます。古代より風や波により作り出された美しい自然の風景に日常を忘れた至福の4時間半のセーリングでした。

 


 

その夜、太陽が沈みだすころ、沖縄の夏の強烈な西日を受けて、座間味港の桟橋で島を挙げての歓迎パーティーが始まります。沖縄ですから勿論オリオンビールで乾杯。特産の島らっきょう、海産物のテンプラなど御馳走をほおばりながら、泡盛と力強いエイサーのリズムに酔いしれます。パーティーのエンディングは、全57艇の参加者と島の人たちが一緒になってエイサーを踊ります。後は民宿に戻り、倒れ込むように寝るだけ。

 

翌朝、民宿でゆっくり島の朝食を食べ、10時に座間味港を出港しました。古座間味のビーチにアンカーを打ち、約2時間シュノーケリングでケラマブルーの海を堪能し、午後4時にホ-ムポートの宜野湾港マリーナに無事到着。何とも贅沢な2日間のセーリングの幕が降りました。