【Kissの会 ゲスト投稿no.72】  「歳を取るということは」

                                                                                                                              2021-08-01  岩田 良江さん                             

 

後期高年齢に達しこれからの人生を心豊かに過ごすつもりでいたが、“予想外”を考えておかなければとの思いがした。 

 「残りあと一室お急ぎ下さい。申込金0円」 

マンションならぬ介護老人ホーム入居者募集のチラシだった。「家賃、食費、共益費 ¥178,000 」と書いてある。仮に介護3で入所した場合、介護に係る利用料は1割負担¥23,078+雑費で1か月≒¥230,000(医療費は別途)。担当マネジャーに問い合わせてみると、地域概要から平均的な費用だそうだ。厚生年金でもまして国民年金ではとても入所は困難ではないか。不足は預金から、または子供からの援助だそうだ。子供は自身の介護保険料を収めて、さらに親の介護費用の負担をする。年金受給者は年金から介護保険料をバッサリ天引きされる。消費税の目的は高齢化社会の財源だったはずだ!言わせてもらうが年金もさんざん無駄使いされて、誰も責任を取らない。政府官僚は何をしていたか、何をしているか😡。

川口サンテピア

民間の介護付き老人ホームは上には上がある。アクティブな時から最後まで安心を提供する大手レジデンスは、なんとウン百万円 ~ 一億円の入居費(詳細な規約有り)。もちろん人生の条件にあった人が入居するのでしょうが、介護その他は別途料金で負担が大きい。世の中にはお金持ちの高齢者がたくさんいるのでビックリ。では、公共の介護老人ホームの場合、当市内では介護が必要、生活困難、リハビリのための日常医療生活支援施設が数箇所ある。仮に特養施設では、介護3で1か月の利用費用は室代¥21,960、介護に係る負担1割として¥27,048、食費¥43,350+雑費、計≒¥105,000。費用支払い困難また高額の場合は負担限度額が適用される。各々施設の利用費用はだいたい6万~25万円内。しかし常に満員ですぐに入所できるというわけにはいかない。


 今後人口減が続き、反して介護や支援を必要とする戦後生まれの人口増に伴い、介護保険料や介護サービスの限度は大幅に見直される事は必至。2022年後半には医療費窓口支払いが1割から2割に引き上げられる (75歳単身年収200万以上)。

 

長い介護は、主体的に判断しても経済的精神的に辛い。考えているとだんだん心が狭くなる。死ぬのは怖い、逃げることもできないし、まわりに何かと迷惑をかけるかなと思うと生きているのも辛い。数年前までは子供に看てもらえる、看てもらうという希望があったが、最近はだんだん諦めに変わってきている。

冷静に考え直してみる。脳梗塞を患い、そこそこ回復した。今この元気を大切に上手に維持する事、体力気力の限界まで杖を使わずボケない努力をする、介護施設には入らず、救急車は呼ばない、延命処置はしない、ただし苦痛だけは取り除いてと。はたして出来るか不明だが「自分は充分生きた、もう生きることに欲はない」と言えないが、表情を見てその時は察してほしい。これを記して子供たちに託しておく。その前に“争続”のないよう遺言書も作成しておかなければならない。でも、これは自身の気持ちも年々度々変わるからそう急ぐ事はない。

 

歳をとると本当に厄介なことが待っている・・・が、少し明るい兆しに期待もある。今後、更なる医療や科学技術がこれからの老齢化社会をどのように、またいかに救済する事ができるか期待している。